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少し間を開けて
死神は話始める
死「正確には、魂の回収よ。私達死神の仕事は、死期を迎えた魂の回収、貴方は死期が延びているようだけど」
死期が延びる?
そんなことが、在るのだろうか?
僕が、考えていると死神が付け足す
死「所詮死期は、神が決めた予定日に過ぎないわ。
必ずしもその日に死ね訳では無いの
だから私達死神が死期を迎えても身体に留まっている魂の回収をするのよ」
成る程、つまり僕が死ななかった為に死神が出てきたと……
死「さて、そろそろ良いかしら?」
彼女も痺れを切らした様で、僕に尋ねてくる
正「うん、有り難う」
僕は、この世に未練は無い
何より、死神から逃げる度胸が無かった
死「最後に、一つ願いを聞いてあげる」
最後の願い……か
僕の願いは、すぐに決まった
それは………
正「君の顔が見たい」
死「なっ……///、そんなことで良いの?」
今の、僕の一番の願いだった
あの美しい声の主を一目見たかった
ただそれだけだった
死「良いわ、こっちを向きなさい」
僕はゆっくりと後ろを向く
正「……………」
言葉が出なかった
いや、正確には、出せなかった
僕の前にいる黒い死神衣装の女性に
ただ……、
ただ、見とれていた
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