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―――――――
僕達の幸せは突然音をたてて崩れた
?「愛華は死神界に連れて行く」
その一言で僕達の幸せは崩れて言った
数分前
僕が愛華の寝顔を眺めていると
愛華の時の様に在る筈の無い気配が後ろにあった
僕が振り返ると
愛華と同じ服、同じ鎌を持った男がいた
そして男の第一声が
?「愛華を死神界に連れて行く」
だった
僕は訳が解らず
ただその〝死神〟を睨むくらいしか出来ない
愛華も〝死神〟の言葉……いや、声に反応して起き上がる
愛「死神様」
愛華が小さな震える声で言った
死神「愛華、お前はしてはならないことをした。
従って死神界の牢に入ってもらう」
その声は落ち着き威厳がある
愛華は震え、逆らう事も出来ない
僕も肌で感じた「あれに逆らっちゃ駄目だ」と
死神「行くぞ、とっ、その前に、桐谷 正谷を始末しなきゃな」
死神が僕に鎌を向ける
僕は足がすくんで動けない
愛「待ってください、彼だけは助けてください
どんな罰も受けますから」
死神「良いだろう、人間、愛華に感謝するんだな」
愛華が止めてくれなければ僕は今頃死んでいた
僕はその場に座り込む
愛「正谷……有り難う…さようなら」
愛華はそれだけ言うと死神の方へ歩き出した
僕は声すら出せずにいた
本当は行くなと叫びたいのに
自分の情けなさに
愛しい人にもう会えない 苦しさに
涙が溢れでる
死神と愛華の身体がゆっくりと消え始めた
僕の身体は相変わらず動かない
愛華はもう頭しか
残っていない
僕は力を振り絞って愛華に叫んだ
正「ずっと、ずっと待ってるから!いつか必ず…」
そこまで言うと愛華は
もう居なかった
さようなら……愛華…
また君の声を聞きたいよ
また僕の名前を呼んでよ
僕はやっと動いた身体を……拳を床に叩きつけた
また……会おうね
さようなら
愛華……
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