第0章

2/4
前へ
/50ページ
次へ
チッ…チチチッ… 狭いお風呂場でカッターを出し入れする音だけが不気味に反響する。 スゥーッと手首に滑らせると、ピリッとした痛みと共に血がにじむ。 そして、赤い小さな半球を作って、流れ落ちる。 嫌な事とか、汚い感情とか、全部手首から流れ出してスッキリする。 この瞬間だけが一日の中で一番、自分が生きてるって実感する時間。 …なんて狂ってる?
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加