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パンツ一丁で体育館に飛び込んで来た沢田は、防具も着けずに持田先輩に飛び掛かる。
そのままマウントポジションにつくと、手を振りかざして
……持田先輩の髪を、抜いた。
『………プッ』
確かに、何をとるかの指定はなかったな。
それでも上がらない赤旗を見て、髪を全部抜いた沢田。
フッ…持田先輩、ハゲになったな。ザマーミロ
赤旗が上がったのを確認して生徒が一斉に沢田に駆け寄る。
京子と一緒に軽く笑ってから、僕たちも沢田のところへ歩く。
「ツナ君」
『沢田』
僕たちの声に振り返った沢田は信じられないといった表情だった。
『沢田、戻ってきてくれてありがとう。見直したよ』
ニコッと笑って言えば、真っ赤になって首を振っていた。
「昨日はこわくなって逃げ出してゴメンね…」
顔を赤くして言う京子に、あたふたとする沢田。
フフ…なんだか微笑ましいな
「ツナ君ってすごいんだね。ただ者じゃないって感じ!(それでも宝ちゃんは渡さないから)」
「!(別に京子ちゃんに言われる筋合いないんだけどな)」
「アハハ(宝ちゃんは大事な親友だもん。ツナ君なんかにあげるわけないでしょ)」
「ハハハ…(それを決めるのは姫宮さんだろ?)」
……うん?
なんか、少し肌寒いな……
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