標的 1

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パンツ一丁で体育館に飛び込んで来た沢田は、防具も着けずに持田先輩に飛び掛かる。 そのままマウントポジションにつくと、手を振りかざして ……持田先輩の髪を、抜いた。 『………プッ』 確かに、何をとるかの指定はなかったな。 それでも上がらない赤旗を見て、髪を全部抜いた沢田。 フッ…持田先輩、ハゲになったな。ザマーミロ 赤旗が上がったのを確認して生徒が一斉に沢田に駆け寄る。 京子と一緒に軽く笑ってから、僕たちも沢田のところへ歩く。 「ツナ君」 『沢田』 僕たちの声に振り返った沢田は信じられないといった表情だった。 『沢田、戻ってきてくれてありがとう。見直したよ』 ニコッと笑って言えば、真っ赤になって首を振っていた。 「昨日はこわくなって逃げ出してゴメンね…」 顔を赤くして言う京子に、あたふたとする沢田。 フフ…なんだか微笑ましいな 「ツナ君ってすごいんだね。ただ者じゃないって感じ!(それでも宝ちゃんは渡さないから)」 「!(別に京子ちゃんに言われる筋合いないんだけどな)」 「アハハ(宝ちゃんは大事な親友だもん。ツナ君なんかにあげるわけないでしょ)」 「ハハハ…(それを決めるのは姫宮さんだろ?)」 ……うん? なんか、少し肌寒いな……  
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