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次の日――
京子と一緒に登校した宝は、朝から不愉快な思いでいっぱいだった。
「パンツ男のおでましだー!」
「ヘンターイ!!」
沢田が教室に入ってきた途端、騒ぎはじめるクラスメイトたち。
沢田を見れば白目を向いていて、顔も青い。
逃げようとしてか廊下の方を向けばそこには剣道部の部員が…
「道場へまいりまぁーす」
「ちょっ、ちょっと!」
嫌がる沢田を無視して、道場まで無理矢理連れていってしまった。
…あれじゃ沢田が可哀相だ
告白は勇気がいるのに、それをこんなに騒ぎ立てなくてもいいじゃないのか?
「持田センパイ、昨日京子がうけた侮辱をはらすため勝負するんだって」
「え?」
京子は京子で困ってるし…
きっと周りは面白い半分なんだろうな……
ハァ…とため息をつくと、花に手を引っ張られた。
『え?ちょっ、花!?』
「宝も見に行くわよーっ!」
関係のない花が1番楽しそうだ……
いや、関係がないからこそか?
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