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隣では賞品扱いされて怒った京子がいる。
「最低の男ね」
『本当だよ。許せないね』
今にもつかみ掛かりそうな京子を花が押さえて、僕は持田先輩の様子を伺う。
……あくどい顔だな
きっと真面目に勝負する気はないだろうね。
『…あれ?』
沢田がいない……
どこ行ったんだろう?
持田先輩も気付いたようで、部員に聞くとトイレに行ったみたいだ。
クラスメイトの話を耳に挟んで愕然とする。
………逃げ、た?こんな状態の京子を置いて?
「これで不戦勝だ!!京子はオレのモノ!!」
『…待ちなよ』
ギャハハ!と笑う持田先輩を、思い切り睨みつけた。
京子をお前みたいな男にやるもんか。
『沢田が戻るまで、僕が相手になるよ』
もし、戻って来なくとも…僕がキミ相手に負けることはないけどね。
(宝が?ケガするぞ?)
(へぇ…剣道部の主将が、僕に負けるのコワイ訳?)
(宝ちゃん…カッコイイ!)(京子……)
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