オレとショータさん

2/10
371人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
ショータさんはいつもロクでもない人を好きになる。 具体的に言えば、恋人、妻子がある人を好きになる体質だ。 あぁ、妻子といったところで…ショータさんが好きになるのはロクでもない上に男なのだ。 幸せになる可能性なんて1パーセントもない、棘の道を裸足であるく28歳。 ショータさんとはオレのバイトするコンビニの上、マンションに住むショップの販売員さんだ。 だから、それなりに見た目はカッコいい。 いいや、それなりではなくかなりカッコいいのだから、実に勿体ない話だ。 「ねぇ、ねぇ、上のショータさんとの飲み会セッティングしてよ、ハルヒコ」 「はいはい、」 オレの2コ上、今年26歳になるリエさんは昨年友達がだいぶ結婚したらしく焦っている職場の先輩だ。 いや、だからってショータさんはないだろう…、アレ、だいぶ格好いいし、それにゲイだし、ついでに人のものじゃないと興味を示さないんだから。 とは言えず、はいはいでやりすごすこと半年ちかく。 いよいよ襟首を掴まれて、 「そいうえば、ハルヒコもずっと彼女いないわよね?ねぇねぇアタシの短大の後輩、ミナコなんてどう?」 体重60キロオーバーの女子を薦められるもんだから…。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!