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「ほら、携帯出してよ」
う~ん。どうしよう。
まだ会って1時間も立ってないのにこの人のことが分かってしまった。
この人に教えたら駄目だ。僕の中の死んだお婆ちゃんが言ってる。
うん。しょうがないけど断って―
「んん~?人の携帯は使いにくいな…」
「あぁ!ぼきゅの携帯…!どうして!?」
そんなはずは…!?携帯は僕の右手がしっかり…
僕は右手を確認する。
……………
僕の右腕は床と水平にしっかりと鶴見さんへと伸ばされていた。
天井に手のひらを見せて。
右腕の馬鹿野郎!女の子だからって浮かれやがって!いくら初めて女の子にメルアド聞かれたからって相手を考えなくちゃ駄目だろ!ばかっ!!大好きっ!!
「おぉ!出来た出来た!やった~♪」
鶴見さんは僕の携帯を回転をつけて後ろに放り投げると素直に嬉しそうにする。
ガシャァン!と、不吉な音。
ま、まさか鶴見さん…僕のことが―
「おもちゃハブゴットン!」
ないね。
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