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オヤジは消えそうな意識の中 熊の注意を引き息子を守る為に走り出した
目の前が徐々に暗くなる…悪魔の濁った眼 フラフラと必死に走るオヤジ 追いかける金色の毛が混じった背中
健太は眠りに落ちる様に意識を失う
どれだけの時間が経ったのだろう…
...僕は
...生きてるの
...右肩が熱い
...オヤジは?
...探さなきゃ
なんとか立ち上がり 辺りを見回す
10mほど先だろうか ズボンと靴が見える
...オヤジ
...頼むよ生きてて
健太の願いは悪魔になど届く筈も無かった...
父 又一の姿は知っているオヤジとは全く違っていた
腰から上は喰われ存在する筈の厳しくも優しい顔は二度と見る事は無い
ドクンと心臓が唸る慟哭!!…小さな子供は泣き叫びたかったが、あまりの衝撃と恐怖に声さえ出なかった
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