回顧

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『ふぅ~』 大きな息を吐きながら ゆっくりと瞼を開くと慌てて周りを確認する 頑作じいさんは いつもの様に一言 『山じゃない…大丈夫じゃて』 健太も いつもの言葉を返す 『あぁ 隣に裸の爺じゃ...山以上の地獄だな』 漁師独特のデカイ笑い声が風呂場に響く『ガハハ そりゃそうだ "真由ちゃん"じゃなくて悪かったな』 『そういゃあ "せっちゃん"に魚を届けたら おまえに会ったら家に来いって伝えてくれ言われたぞ』 『仕方ねぇ 後で顔出しますか…』 健太が言うや否や 『な~にが仕方ねぇだよ あまり"真由ちゃん"に心配掛けるなよ』 そんなこたぁ...解ってるさ…嫌なほど... 自分がどうやって山から降りたのか記憶が無い 肩に大きな傷 血だらけのガキが息も絶え絶え村に降りて来たんだから…静かな村も大騒ぎになったのだろう 地元の猟友会が大挙して山に入ったらしい…しかし大熊"濁り眼"どころか オヤジの遺体も見付けられなかった 恐らく"濁り眼"が持ち去り隠したのだろう 帰って来たのは オヤジの銃だけだった…
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