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しかし、喜びも束の間だった。
俺の体には無数の機具が取り付けられ、これが無ければ生きては行けない上、体も左手の一部を動かすのがやっとで、言葉を発する事も出来なかった。
そして、一生元通りには体が機能しないであろう事は、言われずとも皆の態度で容易に察知出来た。
家族からすれば、俺が死ぬよりは良いかと思ってるかもしれない。
しかしながら、「俺は何の為に生きていくのか?」「ただ、生かされてるだけなのか?」自問自答を繰り返し、自暴自棄に陥るのも無理は無かった。
そんな居り、あるとき理紗が俺の耳元で囁いた。
「私は涼介を心から愛してるよ。例え涼介の体が一生動かなくても、一生話せなくても、私は涼介の為なら何でもするし、そばにいるからね。」
体中が熱くなり、涙が零れた。
理紗は俺が話せなくても、誰よりも俺を理解し、愛してくれてるのだと。
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