変わらぬ心。

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それから特に会話も無いまま映画を観終え、食事へと向かう俺と理紗だったが、「何が食べたい?」と聞く俺に対して理紗は、 「涼介が連れて行ってくれるなら、何処でもいいよ。」 いつもなら、「何が食べたい?」って切り出すと、俺が店を決めるのが面倒と気付き、理紗が決めるのだが、この日は違った。 「じゃあ、適当に入ろうか」 店に入るなり、理紗は明るい口調で話し始めた。 「今日の映画良かったよね。涼介と映画行くのも久々だったしね。」 「そうだね。」と俺は相槌に近い感じで答えた。 「次の休みドコ行こっか?次は私の行きたい所でいい?」 と楽しそうに話し掛ける理紗に対して、俺はこう言い放ってしまった。 「もういいって。今日はヤケにうるさいなぁ。ちょっと黙っといてくれる?」 普段こんな事は言わないが、この日は会った時から気乗りしなかった気持ちと、理紗のいつもと違う態度に苛立ってしまったのだろう。 「ごめん…怒らせるつもりじゃ無かったんだけど…」 さっきまでと違い悲しい表情を浮かべる理紗に引っ込みがつかなくなった俺は、 「もう帰るわ。一緒にいてもつまらんし。」と言い残し一人店を去って行った。 そして、理紗の気持ちを表すかのように、空は急激に暗くなり、雨が降り出した。
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