芽生え

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「涼介、涼介。」 意識が朦朧とする中、徐々に視界が広がる中で、目に映ったのは俺の母親だった。 「先生、意識が戻りました!!」 そう絶叫するのは俺の父親、横には兄貴の姿も見える。 そして、後ろの方に控え目に立っているのは理紗だった。 俺はあの日、対抗車線をはみ出してきたトラックと正面衝突し、病院へと搬送された。 6日間も意識の無い状態が続いたらしい。 「ほんと心配したんだから」「ほんとロクに眠れなかったんだぞ」「俺は信じてたけどな」 「本当に良かった…」 みんなが思い思いの言葉を発する中、何故か理紗の声だけが耳に残った。
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