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プラスチック製の青くて丸いズンドウ鍋みたいなネコ型ロボ……じゃ無かった、ゴミ箱やらビール瓶が入ったケースやらで混雑した路地を縫うようにして目的地に向かう。
もう少しで路地を抜けようかというときに、その手前でたむろしてる邪魔臭い男二人組に気付いた。
はい、皆様~。
俺から見て路地右の方の壁に寄りかかってる男をご覧下さーい。
ドレッドヘアーにミリタリー調の鎖帷子模様のタンクトップ、これまたミリタリー調のスキニーな革ズボン、それに黒のサンダル、極めつけは口元を隠す風変わりな意匠のマスク。
……お前は某戦闘狂宇宙人でもリスペクトしてんのか?
はーい、お次は皆様左にヤンキー座りしてるこちらの男をご覧下さーい。
長い黒髪を後頭部で編み込み、まるで腐った胡瓜のようにしていまーす。
出で立ちは緑のシャツに緑のカーゴパンツ、安っぽい革靴。トドメにまるでスキーヤーがするような分厚いゴーグル…これまたとても目に良さそうな濃いぃぃ…緑色。
……おいおい、今度は某宇宙生物のモノマネかよ…まいったね…どうも。
俺が脳内バスガイドごっこ兼状況認知をしていると、どうやら向かうもこちらに気付いたらしく、目の前を素通りしようとした俺の前にわざわざ立ち塞がって――
「よぉう、兄ちゃあん。俺達今暇してんだけどさぁ、理由がなんだか分かるぅ?」
「…………………」
・・・下卑た笑い顔でこちらを見ながら話し掛けてきた。
このドレッドヘアーの男……えっと…とりあえずコイツを野郎Aとしよう。
その野郎Aことプレ○ター君は俺が興味なさげに黙殺して先に進もうとすると、それが気に入らなかったらしく、しつこくもまた俺の前に立ち塞がり、額に青筋を立てて先程と同じ質問を繰り返す。
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