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黒装束に身を包み、フードを被ったヒトは、立ち尽くす少年を指差し、「皇帝からのお言葉だ」と付け足して言った。
顔の部分には、黒い目隠しのようなモノが顔を覆い隠していた。
少年は目を閉じていたが、声からこのヒトは男性だと悟った。
「貴方に神の御加護がありますように」
フードを被った男性は右手に持った杖を置き、少年の胸元辺りに両手を組み、何かを唱え始める。
少年にはその声は、声ではなく、音のように聞こえた。
少年は片方だけ黒く大きな瞼を閉じ、その音をただじ……っと聞いていた。
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