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フードの男性の後ろに控える2人の兵士。
彼らは鎧を身に纏っており、兜を被っているせいか、口元しか見えない。
しかし、それで良いのだ。
なぜなら少年は、これから生け贄(ニエ)に捧げられるのだから。
フードの男は唱え終わると、ゆっくりと立ち上がり口を開いた。
「そのまま前に歩きなさい」
フードの男は、控える兵士に合図を出した。
2人の兵士はガチャガチャと鎧の音を響かせ、少年の両脇に立ち、互いに片方ずつ右手と左手を少年の肩に置いた。
フードの男は少年の前を歩き始める。
それと同時に、兵士は少年の肩を軽く押して少年を誘導し始めた。
歩む先には滝が音をたて、少年を呼ぶ。
ここは神聖なる森の中。
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