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まず始めに、兵士2人が片膝を着き両手を組んで少年に向かって祈りを捧げた。
次に、フードの男が杖を前に置き、両手を組んだ。
少年はそれを見据え続けた。
フードの男が言葉を唱えると、兵士もそれに続いた。
「ニエの子よ」
「「ニエの子よ」」
「我らに希望を」
「「我らに希望を」」
「彼らに光を」
「「彼らに光を」」
「我らは貴方の帰りを待っております」
「「我らは貴方の帰りを待っております」」
「ニエの子よ」
「「ニエの子よ」」
祭壇へ向かう道中、彼らは少年に祈りを捧げてはならなかった。
これは禁忌。
けれど彼らは希望を抱いていた。
その理由は、少年の左目にあった。
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