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『申し訳ありませんが今回は見送りにさせて頂きます――』
嗚呼…この言葉を何度…いや、何十度聞いた事だろうか。
毎回毎回毎回…
繰り返される。
履歴書返却してくれる会社はまだいい。
だが、不採用の人物の履歴書を破棄するのは如何なものか。
職を探す人間の大半は金に困っている。
(…稀にそうでもない人も居るのだろうが)
そういう人間にとっては履歴書代やらそれに貼り付ける写真代やらは結構痛い。
だが、それ以上に痛いのは。
『誰にも必要とされない事』
これに尽きる。
『申し訳ありませんが――』
ああ、ここもだめ。
『申し訳ありませんが――』
そう…ここもだめか。
『申し訳ありませんが――』
繰り返される言葉に、心に風が吹いたよう。
訊かせてください。
そんなに私は……
必要のない人間ですか?
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