零章「Prologue」

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緑ヶ谷研究所爆発事故から数日で日本各地、主に事故現場から東側でAlbino(アルビノ)を発症する患者が出始めた。 そして、Alby(アルビィ)はジェット気流に乗り北米や欧州、アジアなどに広がり、世界でも発症例を徐々に増やしていった。 最初の一、二年はAlbinoもHumal(ヒューマル)〔Albinoではない一般人。human+normalの造語である。〕も上手くやって来たのだが、徐々にAlbinoが増えて来ると、Albinoを隔離しようとする動きがHumalから出て来た。 それが引き金となり、人権保護を訴えるAlbino側とそれに反対するHumal側で世界を二分する戦争が起こる。 事故から約6年後。大戦前10年。 Albino大戦の開戦である。 数だけを見れば、Humal側が圧倒的有利だったのだが、特殊能力の有無は明白な力の差を呼び、十年後Humal側がAlbinoの訴えを認める形となり大戦は終了。 新しい年号が終戦と代わり、今の時代へと続いていく。 そんな大まかな流れだけを頭に入れた柊は、すでに学校の目の前へと来ていた。 「いよいよ、テスト最終日だ。頑張ろうぜ!」 隣で強気に笑う健二は握りこぶしを掲げ、やる気満々だ。 柊は首をかしげ、テスト勉強を全くしてないのになんでこんなに自信満々なんだ?と考える。そして、一言。 「お互い、赤点がありませんように。」
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