プロローグ

3/5
前へ
/34ページ
次へ
「時間を…稼いで」 四人の中で一番後ろに居た少女が呟く。 何かを決意したのか、魔王をグッと睨む。 「怖いじゃないか」 魔王は笑いながら少女を見る。 少女の仲間達は、小さく頷き魔王を囲むように展開する。 「今更なんの小細工だ?…俺には何も効かんぞ?」 魔王は飽きたように呟き、やれやれと言うように肩を竦めた。 「黙れ!」 剣を持った男が斬り掛かり、胴着を着込んだ男が殴り掛かる。 杖を持った女性が魔法を唱える。 そこから離れた場所で、少女が呪文を唱えていく。 「悪あがきをしてみな!」 魔王はそう言いながら魔力を高めると、魔王の周りに闇の球体が出来上がり、三人の攻撃を無力化する。 「…くそっ」 三人は諦める事なく、ボロボロの身体で魔王に攻撃を続ける。 「人間は弱いな」 魔王は哀れみの目を三人に向ける。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

76人が本棚に入れています
本棚に追加