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今は 亡き 港町のとある産婦人科にて 男の子として生まれる この時はまだ 親の愛情を受け育っていたのだろう。 気がつけば、じいちゃんとばあちゃんと暮らしてた。 記憶? 幼い頃は よく。 電話が鳴ると、 『お母さんからや!』とダイヤル式の黒電話に『モシモシお母さん!』と飛びついてまくし立てていた。 テレビや保育園でお父さんを知り。 自分にもお父さんがいると知り、 電話が鳴ると『モシモシお父さん?』と云うようになった。 なにか 寂しくなると 『お父さん、お母さん』とよく泣いていた記憶がかすかにある。 本当はいないのに、 幼心にわかっていたのに、口にださずにはいられなく… じいちゃん ばあちゃんをよく困らせていた。
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