物語1

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あれからどれだけの時間が経っただろうか… 俺はいつものように家でパソコンの画面に向かっていた だが突然、開いていたページに亀裂が入った 「なん…だ?」 幸い使い慣れたお気に入りのモニターには異常は無さそうだった。と言っても、外から見ただけだが ならばこれは俺の開いているページがイカレたのか? そう思ったが、マウスカーソルが動きやしない 暫くマウスを左に右にと動かし続けたが反応は無く、キーボードも同じく無反応だった 「おいおい勘弁してくれよ…」 そう呟きながら、仕方なく主電源を落とそうとした時だった 突然入った亀裂が、パラパラと崩れだしたのだ 小さな破片をパラパラと散らしながら、少しずつ崩壊を始める亀裂 崩れた先に見えたのは小さな扉 特にこれといった装飾の無い、純白の扉 そしてその扉の上に、また小さな文字が浮かび上がった ---扉の先にあるのは未来。だがそれは貴方が本来掴むべきでなかった物--- ---扉を開くのはほんの一瞬の勇気か、愚かな好奇心か、それとも…?--- ---さぁ開け人の子よ。お前の未来はその小さき扉の先にある--- 何度も読み返したが、他に文字やリンクはあるようには見えなかった そして扉を開け、という文章から察してマウスを動かしてみると、先程までは全くの無反応だったカーソルがマウスの動きに合わせ移動した (もし仮に…) この扉をクリックして開くことが出来たとしたら… その先に何があるのだろうか? もしかすると単なるイタズラで、『残念でした』とか書いてあるのかも知れない もしかすると開いた瞬間、無数のウィンドウが開く…所謂ブラクラって奴かもしれない だが… だがもし本当にこの先に俺の未来があるのであれば… 何の価値も見出せず、ただ毎日を過ごすだけの日々よりも、退屈な物なんてないだろう 俺は静かに1回、扉をクリックした
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