その人猫、八咫烏をしらず

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そうして深い息を付いて眠りにつく司を一瞥(イチベツ)するとすぐに苦しがる侍に視線を戻しみぞおちに蹴りをいれる。 「司が殺すなって言ってくれてよかったね」 そういいながら…… 男二人を無造作に気絶した男の上に投げ捨てると司のしっぽを触って猫姿にし、さらに自分の足元の羽を拾い上げくちもとに寄せて息を吹きかけると火が上がって羽は灰とかした。その瞬間ヤタも烏姿に戻る。 「服を買わねぇといけねぇな。 流石に江戸時代の街中を平安時代のなりで歩く訳にはいかないからな」 そうつぶやいた姿は、二本足の烏ではなく3本足の八咫烏の姿だった。 ヤタはそのまま司の体を三本の脚で掴むと跳びあがった。
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