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「ん~じゃ……そうだな。あそこの店で宜しく」
今いる地点から少しだけ離れた呉服屋をくちばしで指す。
「あー。うんわかった。好きな色とかある?」
大分空の上にも慣れてきたのか平然と司も答える。
「あー黒とか藍色」
なんだか予想どおりすぎる返答にやっぱりかぁ……とか思いながらも
「わかった。で、お金は?」
「ない。お金持ってないのか?」
「いや、持ってるけど」
「じゃ、よろしく」
本当に持ってないのは分かってるので無事部頷くと
それからしばらく空中散歩のようにゆっくりゆっくり下降すると呉服屋の裏で地面に司を下ろす。
司は自分の耳の裏を触って人間の姿になると何事もなかったかのように呉服屋にはいって行った。
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