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女の子の声援の行方は…
体育委員男「え~、男子のバスケはこれが最後の試合です。1組A対3組Aの試合をするので試合に出る人はコートに入って下さい。」
体育委員女「えっと、女子は予定より早く終わったので男子の試合を応援して下さい」
体育館に1年生全員が集まる。
にぎやかになった体育館。
コートには、1組Aと3組Aがスタンバイしようとしている。
先にコートに入ってきたのは3組Aだった。
その1番後ろから千春が入ってきた。
女1「花村くぅ~ん!!頑張ってぇ~!」
女2「キャー!!メアド教えてぇ!」
などという、声援が聞こえる。
次に1組Aがコートに入ってきた。
先頭には龍がいる。
龍「行くぞぉ!!」
翔太「あぁ」
和「頑張れよぉー!」
拓海「勝ってこい」
龍「……………?なんで俺らには女の子の声援がないんだ??」
翔太「たぶん、あの花村とかいうやつが独り占めしてるからだな」
龍「くそぉ!ちょいイケメンだからってぇ、調子に乗りやがって」
翔太「別に調子には乗ってねぇと思うぞ」
龍「マジでカチンと来たぞ!!(怒)」
審判「それじゃあ整列して。」
両チーム一列に並ぶ。
審判「今から1年生クラスマッチの決勝戦を始めます。礼」
全員「お願いしまーす」
ジャンプボールに入る千春。
1組は翔太が飛ぶのかと思いきや、龍がセットしようとしている。
翔太「おい、お前が飛ぶのか?」
龍「任せとけ!!俺がお前にパスしてやっから」
翔太「じゃあ勝てよ」
千春「キミが飛ぶの?クスッ(笑)」
龍「笑ってられんのも今のうちだぞ!」
審判「じゃあ行きます」
ボールを2人の間にやり、
バッ
ボールが宙を舞う。
2人とも膝を曲げ、ボールが頂点に達した瞬間、
ググッ
バッ
2人同時に飛んだ。
千春(コイツ、僕と張るぐらいの脚力があるのか…)
龍「ぬぉぉぉぉ―!!」
ボールに先に届いたのは千春の方だった。
龍「くっ」
龍は、一生懸命手を伸ばしボールに指をかすらせた。
弾かれたボールは翔太のもとに飛んだ。
翔太「おっし」
ドリブルで敵陣に突っ込んで行く。
翔太は1人、2人と軽く交わして、レイアップを決める。
千春(僕がジャンプボールを取り損なうなんて………)
そう思い、ジッと龍の方を見ている。
龍「いいぞ翔太!!」
翔太「龍こそ、ギリギリだけどナイス!」
龍「バカ!あれは、本気出してないだけだ…」
千春は龍に少し興味がわいたらしい。
この2人のバトルは見ものである。
つづく
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