My Way

勝利者

後半残り３分
―１組Ａ 20―24 ３組Ａ―
千春｢残り３分、パスをつなげていこう。相手に攻撃の隙を与えないで｣
一方龍は、
龍｢ボールが取れたら、迷わず俺か、翔太にパスを出すんだ｣
翔太｢いや、俺にパスを出せ｣
龍｢何言ってんだよ!!｣
翔太｢バカ！お前は点取ることに集中しろ。勝ちたいんだろ｣
龍｢…………分かった｣
敵陣に走って行く龍。
翔太｢ったく………嫌な役に回っちまったぜ｣
エンドからボールが翔太に渡る。
翔太がボールを運んで行き、千春の方へと寄っていく。
千春(こっちの方が僕のとこにくるなんて…)
翔太｢どこ見てやがる。お前はよそ見してる暇なんかねぇーぞ！｣
千春を抜きに行く翔太。
千春｢くっ｣
翔太と千春が左サイドでやり合ってる頃、龍はと言うと、
龍(コイツらめっちゃウザいんだけど……)
龍の周りには３人も敵がマークに着いている。
すると、翔太が中へ切り込んで来た。
千春｢行かせない！｣
翔太は右手でドリブルをつき、千春の右側の方から、ゴール下へと切り込んでいる。
翔太のとこへ２人マークに行く。
翔太｢３対１はキツいって！｣
ゴール下付近まで行ったが、千春を含め、３人に囲まれてしまった。
翔太｢しゃーねぇ｣
翔太はゴールに背を向け、ピボットを踏み始める。
千春の方にピボットを踏み前を向くと、
千春｢こっちは行かせないよ｣
翔太｢悪いな。そっちじゃないんだ｣
龍が２人なったマークを振り切り、ゴール目掛けて走ってくる。
ピボットの勢いとは逆方向に、ビハインドパスを出す。
ボールは、ディフェンスの間を割って、龍の方へと一直線。
龍｢ナイスパス｣
パスを受け取り、そのままレイアップへ持っていく。
完全フリー………いや、
龍｢なっ!?読んでたのか………｣
千春がブロックしに来た。
龍のレイアップでは千春にブロックされてしまう。
その時、
龍｢こっちがフェイントなんだよ｣
と言うと、レイアップに持って行ってた右手を下げ、千春の左わき腹の方からパスを出す。
千春｢エッ!?｣
翔太｢さっすがぁ～♪｣
このプレーは最初から翔太がフィニッシュを決めることになっていたのだ。
残り時間１分45秒
―１組Ａ 22―24 ３組Ａ―
千春(ヤバいな、このままじゃ追いつかれてしまう)
千春｢みんなボールを僕に集めてくれ｣
どうやら千春は、パス回しではなく、点の取り合いをするようだ。