勝利者

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千春たちのエンドボールから始まる。 千春「パスをくれ」 ドリブルで攻めて行く。 龍「翔太、コイツは俺が止めるぞ!!」 翔太「勝手にしろ」 龍が千春をマークする。 千春「君が僕をマークするのか。悪いけど負けるのは性に合わないんで、抜かせてもらうよ」 龍「俺だって負けんのは嫌だからな!」 千春はドリブルをつき、一気にトップスピードにのせる。 龍(右か……。) スライドステップで龍もついて行く。 千春は急ストップした。 龍「えっ」 龍は急ストップについていかず、体が流れる。 千春はストップと同時にジャンプシュートをした。 ボールは、ゴールネットへ吸い込まれる。 千春「っし!!」 顔に似合わず、ガッツポーズを決める。 残り時間、1分 ―1組A 22―26 2組A― 龍「アイツ、マジ上手いなぁ…」 ゴツっ 龍「いてっ!!何で叩くんだよ」 翔太「バカ!感心してる場合かよ。このままだったら負けるぞ」 龍「負けるのは嫌いだな!なぁ翔太、スリー行けるか?」 翔太「はぁ~!?」 龍「ダメかぁ……」 翔太「俺を誰だと思ってんだよ!1本沈めてやっから、お前がとどめさせよ」 龍「さすが翔太!!」 翔太「それじゃあ行きますか」 龍がエンドから翔太へパスする。 龍は先に上に上がる。 翔太はゆっくり進んで行く。 千春は、龍のマークにつく。 千春「残り時間も少なくなってきたね」 龍「おい、そんな話してる暇ないぞ」 千春「何のこと……」 翔太は、攻めていくなり、スリーポイントライン手前に止まり、シュートモーションに入る。 千春「そんな、いきなり打つわけないだろ」 龍「翔太は本気だぞ」 翔太は、ひょうひょうとした表情で滑らかにシュートを放つ。 スリーはリングにかすることなく、スパッと音をたてて入った。 千春「そんなバカな…」 龍は翔太に飛びかかって行く。 龍「ナイッシュー!お前はホントにすげーな!!チューしてやるぞ」 翔太「おい!気持ち悪いから離れろ!!」 龍「いいじゃねぇか!なははははっ」 千春(嘘だろ。何の躊躇もなく決めれたんだよ…。それよりもマズいな。1点差か…) 残り時間、1分 ―1組A 25―26 2組A― 千春は、1人焦っていた。 あんな非常識なシュートを決めたコト、自分が負けるはずないと思っていたコト、その他不安要素がたくさんある中、後1分どうやって逃げ切るのかを考えていた。 だが、考える時間が少なすぎる。
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