勝利者

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今更言うけれど、このクラスマッチには、24秒ルールはない。 だって素人混じりだから、そんなのやってたら、やってらんないでしょ。笑″ 千春「ボールを転がしてくれ。ゆっくりと…」 ボールをゆっくり転がす…………。 コロコロ転がるボール。 千春(あと1分……キープし続けられるだろうか。パスなんて回したら、アイツらに止められてしまう………) 結局答えが見つからないまま、ハーフライン付近まで来た。 転がっていたボールを拾う千春。 結局、千春は1人でキープし続けることを選択した。 ハーフラインを少し越えた辺りでドリブルを軽くついている。 龍「おい翔太!アイツこのままキープするつもりかな」 翔太「そうかもな」 龍「どうする?カットしに行くか?」 翔太「そうすっか!じゃあ俺が右から行くから、お前は……………って聞いてねぇし!!」 龍は、素早く千春の方へと走って行った。 龍「おらおらおらおらぁ!!!!」 千春(厄介なのが来たか…) ―この時点で、残り時間45秒― 龍「ボールを渡してもらおうか!」 千春「君みたいに単純だと抜くのが楽だよ」 まっすぐ突っ込んでくる龍。 それを軽く受け流す千春。 龍「うおっ!?」 簡単に抜かれる龍。 千春(仕方ない、このまま点を取りに行こう…) ―残り時間41秒― 龍を抜き、そのままゴールへ向かう。 千春のもとに群がるディフェンス。 1枚、2枚、3枚と交わしゴール間近まで来た千春。 千春「よし!…………ん!」 翔太「簡単に決めさせる訳にはいかないな」 千春(くっ…。) 千春は、鋭いドリブルで切り崩しにかかる。 キュッ、ダム、ダムダム… 翔太「行かせるか!」 千春の左側について行く翔太。 高速ドリブルでゴール下まで切り込み、……………シュートか、 翔太(打たせねぇ) いや、シュートじゃない。 シュートと思わせ、体を反転させた。 千春は完全フリー。 千春(きた!!) ジャンプシュートに持って行く。 バッ、 バシンッ 千春「えっ!?」 ブロックされた千春。 翔太が千春に合わせてブロックしたのだ。 翔太「読んでたぜ」 ブロックしたボールをすかさず拾う翔太。 ―残り時間5秒― 千春「間に合うわけないだろ……………」 前方に黒い影。 誰だ……………。 龍だ! そう、龍は千春に抜かれたフリをしていたのだ。翔太に千春を任せ、逆転するべく、前衛ではっていたのだ。 翔太「おらぁ!!」 ロングパスを龍に送る。
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