苛立ち

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キョロキョロ教室の中を見渡して、 俺と目が合うとズカズカ目の前にやってきて。 「やっと、見つけた」 驚く俺に、さくらはそう言った。 「……。 何?なんか用?」 さくらから視線を外して、タバコに火を付ける。 息を吐き出して、そう言う俺に 「……一人なんだ? 女の子がいると思った」 って言うから腹が立った。 「俺だって一人でいたい時くらいあるんだよ」 そう言う俺に、さくらはシュンとなって。 「……ごめん」 っていうから、それからは強く言えなくて。 「で、何?」 早くさくらに目の前から消えて欲しくて苛々しながら言う俺に さくらは目に涙を溜めていた。
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