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振り向けば、さくらは小刻みに震えていて。
そういうのは、裕也にしてくれ……
そう思いながら、深いため息をついた。
「わかったから、なんだよ?」
「あ、のさ……。
帝牙は、私のこと好きじゃないの?」
俺のシャツを掴んで俯いたまま
さくらが呟く。
「……好きじゃねぇ」
そう言っていた。
「……そ、そっか」
さくらは掴んでいたシャツを離す。
俺は、苛立ちを隠せなかった。
お前なんか好きじゃねぇから!
お前みたいなちんちくりん。
そう言ってやろうと思ったけど、
「そっか……」
って言って無理に笑いながら泣き出したさくらに
何も言えなくなってしまった。
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