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あれから放課後になって、
自分の鞄を取りに教室へ戻ると
何故か俺の席に裕也が座っていて。
俺に気づくと、
無言で睨むから無視して自分の鞄を取りに行った。
「さくらに会った?」
さくらと言われて
ピクッと身体が反応する。
裕也に悟られまいと、平静を装った。
「会ったけど、何?
お前の彼女だろ?
一緒に帰ってやらねーの?」
そう言う俺に、裕也が掴み掛かってきた。
「お前、いい加減にしろよ。
さくらの気持ち知っててそう言ってんだったら
マジぶん殴るから」
「……は?
何、言ってんの?」
本当に裕也が何を言ってんのか
わからなくて。
それに気づいた裕也が
俺を掴んでいた手を離す。
「……。
お前、バカだろ。
俺からは何も教えてやんねーよ」
そう言って裕也は、教室から出て行った。
俺は、
さくらを探して走り出していた。
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