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「な、何?」
目が赤い。
また泣いてたのか?
そう思ったら、胸が締め付けられて。
「あ、あのさ……」
俺が話しを切り出そうとしたら
「あ!帝牙!
その子と別れたんだよね~?
遊び行こうよっ!」
って反対側の腕に知らない女が絡んできた。
俺は慌てて引き剥がそうとするけど、なかなか離してくれなくて。
そんな俺たちを見たさくらが
「……離して」
って消えそうな声で言うから
掴んでる腕に力が入って。
「本当、邪魔!」
そう怒鳴ると女とさくらが硬直した。
俺は
絡まれていた腕を解くと、
女を睨みつけて冷たく言った。
「ウゼェから」
「そ、その子と別れたんでしょ?」
女は怯まず言ってくる。
さくらは俯いたままだ。
「別れてねぇから」
俺は、そう言ってさくらを抱え上げて
そいつの前でさくらの唇を塞いだ。
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