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敗者たちの行く末
話を聞いている内に、
段々と頭の整理がついてきて、
いくつかの要点をまとめられた。
この国では、
自我を保つことが
生きていられる条件。
どういう訳か、自我たちは
自然と抜けていくように、
薄れていくように
無くなっていく。
その自我は強さによって
失いやすさが違う。
自我を失ってしまった者は、
自我の残っている他者を喰らい、
自分が生き延びようとする。
この国ではなぜ、
働かなくてもいいかと言うと、
入国手続きの際に、自我の強さを
審査され、自我が強いほど
国立銀行の自分の口座に
沢山の金が振り込まれるからだ。
また、自我を無くした者たちを、
自我の残っている者が殺すと、
どこで調べているかは知らないが
その数によって、口座に
金が振り込まれる。
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