自我戦争

借り返し

広い浴室でシャワーを浴びて
大きな浴槽に脚を組み、
身体を伸ばし湯船につかる。
｢あぁ～…ぅ～…良い…｣
俺の声が浴室の高い天井に響く。
｢あ、そういや昨日は
いろいろあって抜いてない…｣
しかし、別の考えが頭をよぎる。
｢…街に出れば、
あの女に会えるかも知れない…｣

服を着替え、
一応台所にあった調理用ナイフを
持っていくことにした。

いつもは、ほとんど
気にしやしない戸締まりを
３度確かめ、外に出た。