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華やかな店が並ぶ通りに出て、
不自然にならないように
辺りを見回しながら歩く。
アンティークな
テーブルや椅子が並べてある
静かな喫茶店をふと見たとき、
目に飛び込んだのは、
店の中で紅茶を楽しみながら、
独りで読書を楽しむ昨夜の少女。
テイトは店に入り
少女が座っている席まで歩き、
少女の横で止まった。
「お、おい。」
少女がゆっくりと
テイトの方を向き、
「どちら様?」
と尋ねた。
これで人違いだったら大恥だ。
「き、昨日の…助けてくれて…」
その言葉で、
相手はやっと思い出したようで。
「ああ、昨日のこの国の
新入りさんかぁ。
なにか用かしら?」
テイトは口を
もごもごさせながら言った。
「き、昨日の礼を…」
少女はくすくす笑い、
「見かけによらず誠実なのね。
じゃあ一緒にお茶してくれる?」
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