星屑★短編集

*過去からの未来*

　昔々、と言っても二十年程前の話だけど、小学校の卒業式の一週間前にあった学活でタイムカプセルを埋めることになった。

　ませていた僕には好きな女子がいて、名前は有美っていうんだけどクラスでは大概一人で読書をしていておとなしめな性格。

それがまた絵になっていていた。

　帰りはいつも一緒で、途中にある自販機限定のみかんジュースを買い合う。

少し歩いた所にある公園のブランコで多少の会話を交えながらそれを飲むのが一日の楽しみでもあった。

　タイムカプセルのことを決めた日も、その次の日も僕達は一緒に帰り、ジュースを飲んだ。

この嬉しさを未来の自分におすそわけしたいと思って、タイムカプセルに入れるものをジュースの空き缶に決定した。