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卒業式前日にも学活があり、その時間にタイムカプセルを埋めることになった。
ランドセルから、洗った昨日の空き缶を取り出して大きな鉄製のカプセルに詰め込む。
ふと、有美が入れる物が気になり、手元を覗くと、だめ、とだけ言って見せてくれなかった。
タイムカプセルを埋める作業は放課後まで続き、夕陽で景色が赤く染まる。
その日の帰り、また同じ公園でジュースを飲みながら話をした。
「有美は結局何を入れたんだ?」
「教えない。未来の高橋君にお預け」
「ちぇ、つまんないの。でも、ちゃんと掘りだせるかなぁ?」
「わかんない。高橋君は何を入れたの?」
「嫌だぁ。未来の有美にお預けだ!」
「今、教えてよ。すごく気になるわ」
「駄目だ!つまんねぇだろ?」
「……」
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