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ここで会話は途切れて、ジュースを飲み終えた僕達は帰路についたんだけど、なんでだろう有美は哀しそうな顔をしていたような気がする……
そして今、そのカプセルを掘り起こそう、とその頃の委員長から手紙が送られてきた。
久しぶりに旧友と顔を合わせて、僕は、二十年の月日はここまで人を変えるんだなって思った。
今では廃校となった母校の校庭。
そこに唯一そびえたつ立派な木の根元に僕達の過去は取り残されている。
来た人全員にスコップを渡しているとき思った、「有美がいない」。
土を掘る作業を地道にこなしながら、よく遊んでいた友達に有美がいないことを聞いてみた。
「ははっ。そういえばお前、あいつのこと好きだったよなぁ!懐かしいなっ」
「懐かしいけど、有美はどうした?家の用事かなんかか?」
「違う、あいつは死んだよ」
「……は?」
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