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その後、話を聞くと有美は持病の喘息で中学三年のときに他界したという。
その事実をなかなか受け入れられないまま、タイムカプセルは無事に堀り起こされた。
「あっ、私の大好きなお人形さんだ!今見ても可愛いわっ」
「おぉ!俺が集めてたカードのレアだ!売ったら高いぞぉぉ!」
そういう歓喜の声の中僕は地味に空き缶を手にしている。
空き缶なんか可愛くもないし、高くも売れないけど、今となっては大切な宝物だ。
そうだ、有美が埋めたのってなんだろう。
僕はタイムカプセルの中にただ一つ残っている物を取り出し、有美の物か確認する。
それは、少し茶ばんだ封筒だった。
表には「斉藤有美」とだけかいてあり、裏には「未来の高橋くんへ」と書いてあった。
僕は急いで中身を取り出し、内容を見る。
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