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俺が深い眠りについて、夢の中でパチリと目を覚ますとそこは、見たこともない外国の街の中であった。
辺りを見回しても、日本人らしき人はひとっこ一人見当たらない。
不安になった俺は、外人が行き交う街を独り彷徨い、自分の行き場を探した。
ふと視界に滑り込んできたのは、大きな大きな列車で、列車の両端は地平線の彼方に溶けて見えなくなっていた。
「でっけぇ列車だなぁ……」
俺は何のためらいもなく、何処からか乗車券を調達してきて列車に乗るために、駅のホームで列に並んでいた。
どれだけの時間が経っただろう。
日はとうに沈みきり、怪しげな闇が体を包んでいき、肌には寒気と不安がしつこくまとわりついてきた。
手に息を吹き掛け、擦ってを繰り返していると、いつの間にか列車のドアが開いていた。
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