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勢いを付け過ぎて木刀が思ったよりも高い所に上がってしまう。
慌てて取ろうとしたら、何かがそれを遮った。
「RY(アールワイ)133071! 抵抗をやめろ」
それに続いて武装した男達が赤道の脇の林から出て来た。
アールワイ……?
オレの前にいる奴のことか?
突撃してきた男達に向かってそいつはオレの木刀で次々と奴等の動きを止める。
そいつの頭に付いている赤いハチマキの動きに導かれるかのように男達の血が舞う。
喧嘩にしては派手すぎるし、子どもが見る戦隊ものの番組の撮影にしてもやり過ぎな気もする。
そいつは動かなくなった男の1人から小型の通信機を取るとそれに向かって言い放った。
「俺はもうてめーらには従わねー」
それだけ言うと、通信機を勢いよくアスファルトに叩き付けて破壊する。それからオレの方を向いた。
短く切られた鮮やかな茶髪に真紅の瞳……
同性のオレから見てもかなり顔は整っていて、人形みたいな奴だった。
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