忘却の奇跡

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「はぁー」 教室から外を眺め、何の意味もなく俺は溜め息を漏らす。 現時点で、高三の秋。 周りは受験勉強に必死なやつばかりだ。 特にやる気になれなかった俺だったが、高校に入学してから、あいつとまともに初めて勉強というものをやり、そこそこの成績を取ることが出来た俺は、正直な話達成感のようなものを感じていた。 だからか、昔ほど勉強が嫌いではない。 (まあ、今何もやらないよりは勉強くらいはしておいた方が良さそうだ) そんな理由で、周りの奴ら程ではないが勉強をやっている。 だが、そんな時にもあいつのことが頭の中で渦巻いている。
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