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――――白河 湊
今はまだ、彼女のことを思い出すことは出来る。
完全に忘れてしまう日が、いつかはくる。
それは湊も言っていたことだし、俺自身も感じている。
湊に出会う前の学校生活。
ゴミ同等のクズ扱いされていた。
それに甘んじて、自ら変えようと動こうともせず、ただ毎日を怠惰に過ごしていた。
だが、湊に出会ってからはそれが百八十度変わったと言っても過言ではない。
毎日が充実して、何より湊と一緒に過ごすことが出来ていたあの日々。
――――楽しかった
――――ただただ、幸せだった
――――なら、湊に会いたいか
無論、それを否定は出来ない。
だがそれをだけを望み生きてゆけば、俺の人生は再び狂い始める。
それくらいは分かっている。
だから、今は湊が与えてくれたこの新しい人生を精一杯、前向きに過ごして行くだけだ。
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