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side相楽
隊長が心配そうに俺を見ている。
原因は、わかっている。
隊長を見つけたときに言うお決まりの文句がいまだに出てこないからだ。
言おうと思ってもさっきのシイロの言葉が頭の中で繰り返される。
「相楽ちゃん何かあった?・・・やっぱり今日の相楽ちゃんおかしいよ。」
・・・。
隊長におかしい発言をされるのはむかつくが、この際思いきって聞いてしまおう。
「・・・隊長は、へぼ隊長とかヘタレ隊長とか言われても平気なんですか?」
隊長の反応が恐くて思わず俯いてしまう。
「・・・。俺は、別に平気。」
その返答に顔をあげる。
隊長は、珍しく真面目な顔をしていた。
「だってその通りだと思うから・・・。・・・俺の部下が死ぬのは、俺が不甲斐ないからだ。・・・俺が頼りないばかりに死んでいく。」
戦死は、他の隊でもあることなのに・・・
この人は、・・・ほんとにバカだ。
「隊長は、アンポンタンです。」
「えっ。ひどい!!」
だから俺は、一生あなたに着いていきます。
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