第一話 唐突な思いつき

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『あら、貴方…私が怖くないの?』 『あたいはさいきょーだもん! 他のやつみたいに怖がったりしないんだからね!』 『…皆、私に怖がって逃げちゃうのに変わった子ね』 『あ、わかった~!あんた友達いないんでしょー?あたいが友達になってあげるよ!』 「あのときからかしらね…」 「なんか言ったか幽香~?」 「何も。あ、紅茶飲む?」 「もらう!」 花畑の中で、 ささやかな茶会が始まった。 「わわっ、チルノちゃん溶けてる!?」 「あら間違えてホットティーにしちゃったわね」 クスクス笑いながらチルノが縮んでいくのと、なんとかそれを食い止めようとする友人達の様子を眺めていた。 ドS≠いじめっこ。 誰かがいった言葉だ。 「失礼します、お嬢様」 ノックもそこそこにレミリアの部屋に入る咲夜。 呼ばれてから少し時間がかかってしまった。 レミリアはベッドに腰掛けていた。 「何の御用でしょうか?」 もうすぐ夜が明け完全に日が昇る。 吸血鬼は寝る時間だ。 「や、なんだか寝付けなくてね、 夜伽…てかもう添い寝して頂戴」 「えっ…?」 「たしか休憩日でしょう?いいからおいでなさい?」 レミリアの手招きに引き込まれて 咲夜はベッドに近付いていった。 「失礼…します」 「ん、お休み。」 そう言うと、咲夜を抱き枕のようにしてレミリアは寝息をたてた。 「お嬢様もやっぱり子供ですね」 心の中でそう呟き、 軽くレミリアの髪を指に絡めた。 するりと指を通り抜ける感触が手に残る。 咲夜も眠ってしまうのに、 そんなに時間はかからなかった。 「あややや、愛らしい様子で寝ておられますねぇ… これは記念に残しておきます」 窓の外から鴉天狗が盗撮していたのに、気付いたものはいなかった。
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