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白ずくめのヒトは言った。その声はとても柔らかな声だった。
「立てるかしら?」
朦朧な意識の中、目の前のヒトの言葉の意味は理解できていた。しかし、体に力を入れて立ち上がろうとするが上手くいかない。白ずくめのヒトは苦笑するとワタシを軽々と抱えた。
「...。」
白ずくめのヒトの顔は、被っているヘルメットによってよく分からなかった。
だけど、このヒトに抱かれていると、何故かワタシは心地良くなって、ワタシは朦朧とした意識を静かに手放した。
次に目が覚めた時に見た世界は真っ白な天井で埋まっていた。ワタシは始めに見た世界と、今見た世界の変わりように勢いよく体を起こしていた。
「...ここは。」
ワタシはワタシ自身に、何故ワタシはこんな事がわかるのだろう?
何故ワタシはろくに動けなかったはずなのに体を起こせているのだろう?
いつのまにこんな真っ白な服をきていたのだろう?
そんな事を考えながら辺りを見渡す。見渡した世界はとても広く、真っ白な空間のような部屋だった。そこにはワタシが寝ているのと同じベッドが沢山置かれていた。
其処にはまだ寝ていたり、ワタシのように上体だけを起こした少女達が沢山いた。
皆異なった、だけど多くが中性的な顔つきをしている。そんな彼等の表情が困惑に染まっている。きっとワタシも彼女達からみたらそんな顔なのかもしれない。
そんな事を考えていた時だった。
真っ白な空間のような部屋の一部が開いて一人のヒトが入ってきて叫んだ。
「全員、直ちに起床!。直ちに起床!!」
その入ってきたヒトは凛とした声でまだ寝ている少女達を叩き起こす。
起こされた少女達も、起きていたワタシや他の少女達も一体何が起きているのかわからなかった。
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