17人が本棚に入れています
本棚に追加
ワタシはブレスレットに書かれた番号と一致する部屋に向かう。途中、同じ部屋に向かうであろう12人の集団と合流し、指定された部屋に入った。
「ようこそ!歓迎するわー。」
部屋に入った瞬間だった。扉を開けた途端に目の前から軽快なクラッカーの音が響く。ワタシ達はそれに驚いた。
開けた扉の前には表情の対象的な二人の女性がクラッカーを手にワタシ達を歓迎していた。
当然の、いきなりの出来事にワタシ達は困惑する。それを見た女性の内、左側の女性はため息をつき、右側の女性はワタシ達の反応が面白くないのか頬を膨らませていた。
すると左側の女性が呆れた口調でいった。
「...麻希奈-マキナ-。やっぱり俺がいった通り白けただろ。」
麻希奈と呼ばれた右側の女性は左側の女性にぷりぷりと怒りながら答えた。
「もうッ!識-シキーがそんな気怠そうな表情で姉妹達を迎えるから困ってるのよぉ!」
ワタシ達が困惑していると麻希奈と呼ばれている女性は部屋の奥に向かう識と呼んだ女性に一通り怒ると、表情を一変させてワタシ達を笑顔で迎えいれた。
部屋にはワタシを含む13人分の椅子が一列に並べられていた。ワタシ達はそれに番号順に並んで座りこむ。
ワタシ達の向かいには教卓の前に識と麻希奈の二人が立っていた。
識は、ワタシ達を見渡していった。
「これより名前の授与を行う。呼ばれたら前に来るように。1750572番!...」
そうしてワタシ達に名前の授与が始められた。ワタシは座った姿勢のまま、チラリと自分の番号を確認する。1750584番。名前を与えられるのは一番最後だった。
次々にワタシ以外の皆に名前が授与される。番号を呼ばれる度にそれに該当する少女が返事を返す。...ここでワタシ達は初めて自分という個人の名前を貰うのだ。そう思うとワタシは順番が来るにつれ緊張が高まった。
「...次!1750584番!」
遂にワタシの番号が呼ばれた。名前について変に考えていたワタシは慌てて立ち上がり返事を返した。
「は、ひぁいっ!!」
最初のコメントを投稿しよう!