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私は暗い。
性格がとても暗い。
そう思い込んでいる為か、他人に対して自然な笑顔で喋る事が出来ない。
中学時代から、すでに「根暗」という人格が出来上がっていた。
「瑞姫(みずき)ー?」
私を呼ぶ友人の優子(ゆうこ)の声が聞こえた。
「えぇ…?」
突然の事に、声が裏返ってしまった私に対して、優子が笑いながら話し始める。
「またボケってしてたね?」
「そうかな…。」
一点を見つめたまま、何も考えずに止まってしまう私の癖。
またそれが出ていたのだろう。
「いつも何考えてるの?」
「…。」
何も考えていない。
本当に何も考えず、思考が停止しているような感覚。
「ん…、何にも考えてない。」
そう答える私に、不思議そうな表情を浮かべた優子は、私をジッと見つめてくる。
「な…何…?」
「本当、不思議ちゃんだよね。」
「そう…かな…?」
「ほら!何かその顔がすでに不思議ちゃんだから!」
私は一体どんな表情をしていたんだろう。
「いつからそんなんなの?」
優子とは小学校で知り合った。
17歳になった今でも、唯一親友と呼べる存在だった。
だがこれは、まだ13歳の中学1年の時の話だ。
(いつからこんなんなんだろう?)
それは幼い頃の家庭環境に、問題があったと思われる。
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