ご主人様…死んでください。

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名執様に同じメニューを進められたが私は断った。 弁当を持ってきていたというのもあるが無償でこの人から何かをもらうのは借りを作るようで嫌だった。 弥生は普通に食べていたが…私は気にせずに持ってきていたお弁当を食べ始めた。 「奈瑠のお弁当…美味しそう。」 御堂様がこちらに熱い視線を送ってくる。 そんな豪華なランチを食べていて人のものにまで… 私は半ば呆れていた。 「…食べますか?」 私は黙って差し出した。 「うわ―い!」 御堂様は私の弁当箱から私の力作の唐揚げをフォークで刺して口に運んだ。 「お…美味しい。」 御堂様が目を見開いて驚いていた。 嬉しいような…悲しいような… それを見ていた名執様はどこかうらやましそうにこちらを見ていたが私は無視をした。 すると御堂様が自分の皿に乗っていた魚をフォークで刺して私に向けた。 「奈瑠にあげる…あーん。」 どうやら御堂様は私に自分で食べさせたいようだ。 そんな恥ずかしい真似が私に出来るはずがない。 「御堂様、お気になさらないで下さい。私にはまだお弁当が残っていますので…」 そう言って断ろうとしたが御堂様は一向に手を引く気はないようだ。 すると、名執様が御堂様の手をつかんでフォークの先にあったものを食べてしまった。 「ん―やっぱり魚もうまいな!」 一瞬三人が呆気に取られたが、私としては助かった。 こんなアホでもたまには役にたつんだと感心させられた。 「ちょっと…沖津、僕は奈瑠にあーんしたかったんだけど…」 「そうだったのか?すまんすまん。」 御堂様にそう言われるとわざとらしく名執様は謝っていた。
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