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「なんだと！それならさなだって無理だろ！」
「…根拠は？」
二人の間に火花が散っていた。
「なんか名執先輩と御堂先輩って仲いいよね…昼食一緒に取ってるんだ。」
廊下を歩きながら弥生はそう漏らした。
「そうね…」
実際はそうでも無いと言おうとしたが二人のことに興味のなかった私にはなんとも言えなかったので適当に流した。
「あ…橘さんだ。」
教室に戻る際に橘様を見かけた。
いつものように青白い顔をして気だるそうに鞄を持っていた。
「帰るのかな？相変わらず…儚げだね…」
儚い…ある意味そうだなと思った。
今日はやたらとご主人様達に会うな…
そう考えていると向こうの廊下から蜜華様が歩いてきていた。
蜜華様は大学生で校舎も離れているのになぜこんな場所にいるのか？
「奈瑠…もうすぐ授業開始の時間ではないのか？」
私が驚きのあまり突っ立っていると蜜華様に声をかけられた。
「蜜華様がどうしてこんな場所に？」
「ああ…大学のレポートの参考になる文献が大学の方に無くてな…高校にある資料室を進められたんだ。」
それじゃと蜜華様は行ってしまわれた。
やはり今日は不吉なことが起こる前触れなのかもしれない。
この１ヶ月…１日に学校でご主人様４人とも見かけたことなんてなかったのに…
私は胸騒ぎがして今後のことが不安になった。
その後、弥生に声をかけられて我に帰った私は小走りで教室へと向かった。
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